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老犬の軟便が回復せず続く原因
老犬と共に生活する中で、軟便や下痢が続くと、飼い主としては非常に心配になります。
軟便や下痢の症状が続く場合、これは単なる一時的な不調ではない可能性があります。病気のサインという可能性もありますし、場合によっては深刻な健康上の問題のサインという可能性があります。
老犬の体は若い犬と比較して弱く、そして、小さな変化にも敏感に反応します。そして、高齢になると犬の身体にはさまざまな変化があり、消化器などに影響を及ぼすこともあります。そのため、注意深いチェックと適切な対策が欠かせません。この記事では、老犬の軟便や下痢が続く場合の原因や対策方法についての情報を紹介します。
食事の問題
老犬の消化器系は若い頃に比べてデリケートです。そのため、消化しやすく、必要な栄養素を含んだ食事が求められます。
例えば、高脂肪で繊維質が多い食事や、添加物を多く含んでいる食事を与えると、消化不良を起こして軟便を引き起こしやすくなります。このように内蔵機能の低下している老犬に若い頃と同じ食事を与えていると軟便になることがあります。
「よく食べているから大丈夫」と食事をそのままにしていたり、年齢に適した食事を与えていないと軟便が続くことになります。
内臓機能の低下
老犬では、肝臓や腎臓などの内蔵機能が低下し、これが軟便の原因になることがあります。内臓機能の低下が消化不良や軟便の原因になることがあります。体内の老廃物を処理したり、栄養素の吸収を助けたりしている臓器ですが、年齢を重ねると機能が低下してしまいます。そうなると体は必要な栄養素を吸収しにくくなり、軟便が続くことになります。
腸内環境の変化
腸内環境は、健康な消化に不可欠です。しかし、老犬の腸内環境は変動しやすく、有害な細菌の増加が消化不良や軟便の原因になることがあります。
腸内環境の変化が軟便の原因である場合、その環境が改善されない限り軟便は続く可能性があります。
慢性疾患
軟便が続く場合、病気のサインである可能性があります。例えば、炎症性腸疾患(IBD)、膵炎、または消化器系の癌などの病気が軟便の原因となるケースがあります。これらの病気は、特に老犬によく見られるものです。命に関わる疾患も含まれていますし、病気が疑われる場合は、適切な診断と治療が必要です。
歯や口内の問題
歯や口内に問題があって、その結果軟便になっていることもあります。歯周病や歯の欠損により食事の十分な咀嚼が難しくなり消化不良を起こしている可能性があります。
歯や口内の問題は、老犬になるとよく見られるものです。虫歯や歯周病が原因である場合は、治療しない限りずっと軟便が続くということになります。
寄生虫に感染している
寄生虫の感染で軟便になることもあります。特に外に出る機会が多い犬は、寄生虫に感染しやすいといえます。寄生虫に感染している場合、放置していてもよくなるケースはほとんどありませんので、適切な治療が必要です。早期発見のためにも、定期的な検査と予防が重要です。
薬剤の副作用
多くの薬剤には副作用があります。そして、中には、犬の消化器に影響を及ぼすものもあります。老犬はさまざまな疾患のために薬を服用していることもありますし、消化器の機能が老化で低下している場合もあります。このような様々な原因と副作用で軟便が現れることがあります。
薬の副作用という場合は、投薬を中止すれば元に戻ることが考えられますが、気になるようなら獣医師に相談しましょう。
ストレスや環境の変化
犬はストレスや環境の変化に敏感です。特に老犬になるとちょっとしたストレスでも軟便などを引き起こすことがあります。環境になる影響を受けやすくなるのです。例えば、家族構成の変更、引越し、または飼い主の不在など様々な要因がストレスになります。
このストレスが消化不良の原因になり、軟便になることがあるのです。軟便が続く場合、一時的なストレスではなくストレスが続いている可能性もあります。
老犬の軟便が続く場合の対策
老犬の軟便が続いている場合の対処法についてお話ししたいと思います。
食事の改善
まず、最初にするべきなのが食べ物の改善です。
今、与えている食事を見直して、消化が良く、低脂肪で繊維質が少ない食事への切り替えをしてみましょう。そして、できるだけ、添加物が少なく、市販のドックフードの場合は高齢犬用のものを選んでください。
そして、食事の回数も重要です。1度にたくさんの量を食べさせるのではなく、少量ずつ複数回に分けて食事を与えることで、消化器系への負担を減らしましょう。
腸内環境をサポートするサプリメント
最近では、犬用のサプリメントも発売されています。腸内環境改善などを目的としたサプリメントの使用は、軟便対策としても効果を期待できます。サプリメントを与える場合は、まず、獣医師と相談し、使用している薬や老犬の状態に応じた適切なサプリメントを選択しましょう。
慢性疾患の管理
慢性疾患が軟便の原因である場合は、自宅でのケアでは改善しません。この場合、食事の改善などをしても軟便が続いてしまうことがあります。このような場合は、できるだけ早く獣医師による適切な診断と治療が必要です。
歯と口内のケア
軟便が続く原因が、歯に欠損や歯周病によるものである場合、治療をしない限り軟便が続くことになります。この場合は獣医師の治療が必要です。犬の虫歯や歯周病はよくある疾患です。獣医師は、必要に応じて、歯石除去や抜歯などの処置を行います。
また、予防策として、定期的な歯科検診と口内ケアはとても大切です。歯の健康を保つことで、食事の十分な咀嚼を助けて、消化を促進します。
寄生虫の予防と治療
寄生虫が軟便が続くの原因である可能性もあります。様々な対策をしても改善しない場合は、寄生虫の感染の可能性もありますので、受診しましょう。そして、寄生虫の感染の対策として、定期的な寄生虫検査と予防薬の使用が重要です。特に外に出る機会が多い犬は、寄生虫には十分な注意が必要です。
薬剤の見直し
軟便が薬剤の副作用によるものである場合、投薬している限り軟便が続くことになります。この場合、獣医師と相談して、薬の調整や代替薬の検討も視野に入れましょう。
ストレス管理
軟便が続く原因がストレスというケースでは、犬の体調や環境をしっかりと把握して様子を確認する必要があります。老犬はとくに、環境の変化やストレスに敏感です。そのため、できるだけ安定した環境を作ること、そして、日常生活のルーティンの維持も実践しましょう。また、温度管理や快適な寝床の準備なども重要です。
そして、できるだけ長時間のお留守番などはさせないようにしてみましょう。こうすることで、老犬のストレスを軽減し軟便の改善や予防に役立ちます。また、身体に負担をかけない程度の適度な運動や遊びも精神的な安定のために必要です。
まとめ
老犬の軟便が続く場合、その原因となる要因に応じた適切な対策がされていないケースがあります。犬の状態をしっかり観察して、対策を講じることで改善が見込めます。例えば、食事の見直し、腸内環境の改善、慢性疾患の管理、歯と口内のケア、ストレス管理などがこれにあたります。軟便がつづいている場合は、多方面からのアプローチが欠かせません。
そして、対策をとっても軟便が続く場合は、病気のサインである可能性もあるため、動物病院・獣医師に相談しましょう。老犬となった愛犬が快適、元気な老後を過ごせるように、軟便が続く場合は適切な対策を。そして予防策のための日頃からの注意とケアが欠かせません。