犬が手術後に下痢をしていると不安なものです。
手術の影響なのか、それともストレスによるものなのか。ここの記事では、術後に犬が下痢している場合に考えられる原因と対処法、そして、予防のためにできることについて詳しく解説します。
犬が術後に下痢をするのは、ストレス、食事の変化、薬剤の影響など、さまざまな要因によって引き起こされています。術後のデリケートな時期だからこそ、適切なケアで、愛犬の様子を見ながらフォローをしてあげましょう。
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術後の犬が下痢をする原因
手術後に犬が下痢してしまう理由は様々です。もちろん、手術の影響もありますが、他にも原因として、ストレス、食事の変化、そして、薬剤の影響も考えられます。このような様々な理由で、犬の消化器系に負担がかかることで、下痢をしてしまうのです。
まずは、術後の犬が下痢をする原因について詳しく見ていきましょう。
ストレス:当然のことですが、手術をするということは犬にとても大きなストレスを与えることでもあります。病院に行くだけでも嫌がる子もいますが、その上で、手術を受けるわけですから、想像以上のストレスとなります。このようなストレスは消化器系に影響を与えることがあります。その結果、腸の運動に影響したり、消化にも影響したりします。犬はとてもデリケートな側面がありますので、こうしたストレスで消化不良を起こしたり、腸に影響したりして下痢を引き起こすことがあります。
食事の変化:手術前後に、絶食もしくは特定の食事制限をしているということもあるでしょう。そのような食事習慣の変化が下痢の原因になることもあります。また、病院で食事をした場合、いつも食べたいものとは違うフードであることもあるため、下痢をしてしまうことがあります。
急激な食事の変化が犬の消化器系に影響を与えてしまうのです。慣れていないものを食べてお腹を壊してしまうということです。心配であれば、動物病院と相談していつもの食事を食べられるように配慮してもいいかもしれません。
薬の影響:手術中に薬が使用されることもありますし、手術後の痛みのコントロールのための鎮痛剤が使用されることもあるでしょう。場合によっては、細菌感染を防ぐための抗生物質が処方されることもあります。こうした薬剤は、術後の犬のために必要なものでありますが、犬の腸内環境や消化器系に影響する可能性があります。特に、抗生物質は細菌に作用するため腸内にいる善玉菌も減少させることがあるため、下痢を引き起こすことがあります。
術後の犬が下痢をしている場合、こうした原因の中から該当するものを探すことで、飼い主ができるケアが見えてきます。
手術後に犬が下痢を経験した場合は、まずストレスを最小限に抑えるためにリラックスできる環境を整えたり、温度管理を行ったりすること、消化に優しい食事を食べさせる、そして、獣医師の指示に従って食べ物や薬を管理することが重要です。そして、下痢が続く場合やひどい場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
術後の犬のためにできること
ここからは、術後の犬が下痢などをした場合の対処法と、術後の犬のためにできることをご紹介します。
安静にできる環境
手術後の犬が過ごす環境は安静にできるようにしてあげましょう。犬が興奮したり激しく動いたりしてしまうと手術後の経過に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。安静にすることは元気になるためにとても大切です。
体力の回復と傷口の治癒を早めるためにも、犬が静かで快適な環境で過ごせるようにしてあげてください。具体的には、静かな部屋を用意すること、犬がリラックスできるクッションなどを用意してあげること、そして、必要に応じてエリザベスカラーを使用して、傷口をいじったり、舐めたりするのを防いでください。
清潔な環境の整える
手術後の犬はデリケートです。普段よりウイルスや細菌感染のリスクが高まっているため、そのリスクを減らすためにも、清潔な飼育環境を用意してあげることはとても重要です。また、清潔な環境は犬のストレスを軽減することにもつながります。寝床やケージ、トイレや食事のお皿などをいつも綺麗にしておくことで傷口の感染リスクを最小限に抑えることができます。
下痢している場合は特に、清潔な環境を維持するために何度も掃除をしたり、犬を拭いたりする必要があります。
獣医師と相談して傷口のケアをする
傷口の適切なケアも大切です。傷口からの感染を防いでできるだけ早く回復するためにも必要なことです。傷口のケアに関しては、獣医師の指示に従って、傷口の消毒やガーゼなどの交換を行います。また、犬が傷口を舐めたり引っ掻いたりしないように注意しておこなってください。
消化しやすく栄養価が高い食事
手術後の犬は身体も心もデリケートな状態です。食事はいつものものより、消化しやすく栄養価の高いものを選んであげましょう。
そして、手術当日は、絶食や手術の影響で敏感になっていることが考えられます。そのため、食事量をいつもり少なめにしたり、少量ずつを複数回に分けて食べさせたりするなどの工夫が必要です。そして、量に関しては徐々に通常の食事に戻していきましょう。
消化の良い食事としては、消化に配慮したドッグフードもありますし、カボチャやさつまいもをふかしたものなどがあげられます。
新鮮な水をいつでも飲めるようにしておく
術後の犬が下痢をしている場合は、脱水症状におちいるリスクが高くなっています。そのため、常に清潔で新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。そして、少しでも脱水の兆候が見られる場合や、長時間にわたって水を一切飲まない場合などは、すぐに獣医師に相談して診察を受けることが重要です。
術後の犬のケアは、獣医師の指示にしたがっておこなうものですが、飼い主ができることもたくさんあります。リラックスできる清潔な環境を整えたり、消化がよく栄養価が高い食事を用意するなどがこれに当たります。
こうしたケアをしてあげることで、犬の手術後の回復をサポートできます。そして、下痢の予防や対策としても有効です。術後の回復期間はデリケートな時期ですので、下痢をしてしまうこともありますが、獣医師と相談しつつサポートをしてあげましょう。
そして、手術後に下痢や血便、嘔吐などの以上がある場合は、すぐに獣医師に相談して診断と治療を受けましょう。
まとめ
犬が手術後に下痢をしてしまう原因は様々です。ストレスや食事の変化、そして、手術に影響など複数の要因によって引き起こされています。
術後のケアは、獣医師の指示にしたがって行うようにしますが、飼い主ができることもたくさんあります。清潔な環境を整えて消化がよい食事を食べさせること、新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげることなどは、下痢の対策としても有効ですし、術後の犬の回復にとっても重要です。
参考資料:コノコトトモニ 老犬(シニア犬)が下痢を繰り返す原因は?飼い主にできる4つの対処法!