老犬が下痢をすることは珍しくありません。「具合が悪いのかな?」と思って見ていたら、食事はいつも通り食べている･･･。下痢をしているにもかかわらず食欲は変わらないという状況はどういうことなのでしょうか。いずれにしても、愛犬の下痢は、飼い主にとってとても心配なものです。
下痢があるけどしっかり食べているという場合、その原因には様々な健康上の問題が隠れている可能性があります。この記事では、老犬が下痢をしているけど、食欲はあるという場合の原因と対処法について詳しく紹介します。
Contents
老犬の下痢と食欲の関係
老犬が下痢をしていても、食べる量が変わらずおやつも欲しがる場合、腸内環境の変化や消化不良が原因として考えられます。
老犬における下痢は、消化器系の問題、感染症、内臓の疾患、ストレス、食事の変更、あるいは薬を飲んでいる場合は副作用というケースもあります。
このような、さまざまな要因によって引き起こされる下痢ですが、これは、食事や消化過程などに何らかの問題があることを示している場合が多くなります。そして、下痢をしているけど、よく食べていて食欲があるに場合、こうした要因が複合的に重なっているという可能性があります。
食事に問題がある
老犬の消化器系は敏感です。加齢によって内臓の機能が低下し、食事の変化が大きな影響を与えます。脂肪分が多い食事や、繊維質が多い物、そして、人工添加物が多く含まれている食品は消化しにくいため、下痢の原因となることがあります。食べ物に問題があっても、食欲が落ちないというケースはあります。
そのため、老犬には消化がよく、栄養価の高い食材を選ぶことが求められます。さらに、消化を助けるサプリメントの使用も有効です。
そして、老犬になったときには、１度の食事の量を減らして、少量ずつ複数回に与えることで、消化器系への負担を減らす事ができます。
内蔵機能の低下
老犬は肝臓や腎臓などの内蔵機能が低下していることがあります。老廃物を対外に排出したり栄養の吸収に重要な役割を果たしている臓器なのですが、この臓器の機能が低下していると消化不良となり下痢を引き起こす原因になります。
内臓機能が低下していても、食事を欲しがる老犬もいます。
加齢による内臓機能の低下は避けて通ることができないものですが、肝臓や腎臓のサポートを目的としたサプリメントや食事の工夫は有効です。老犬の身体はとてねデリケートですので、サプリメントを使用する場合は、事前に獣医師と相談しましょう。
腸内環境の変化
人間と同じように、犬にも腸内細菌がいます。そして、消化吸収や免疫を高めるためには腸内環境改善が重要です。ですが、老犬の腸内環境は変化しやすく、悪玉菌の増加によりバランスが崩れることがあります。その結果、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。
老犬が下痢している場合、腸内環境の変化が原因ということもあるため、腸内環境改善を目的にしたサプリメントの使用も検討できます。
病気のサイン
下痢はときに病気のサインであることがあります。一例ですが、炎症性腸疾患(IBD)、膵炎、消化器系の癌などに罹っている場合に、下痢をすることがあります。病気のサインであっても、食欲が落ちないことがあります。
疾患が下痢の原因である場合、サプリメントや食事の改善だけでは下痢は止まりません。病気の場合は、適切な診断と治療が必須です。下痢が続くようなら、早めに獣医師の診断を受けましょうる。
歯や口内に問題がある
老犬は歯周病や虫歯、歯の欠損はよくあることです。しっかりと噛むことができなくなり咀嚼が難しくなると、消化不良を引き起こして、下痢をすることもあります。
虫歯や歯周病は治療をしなければ治りません。早めに発見すればそれだけ治療も早く終わりますので、予防のための定期的な歯科検診と口内ケアは重要で、動物病院で犬の歯の定期検診をしているところもあります。
寄生虫に感染している
外に出ることが多い犬の場合、寄生虫感染のリスクは高めです。寄生虫に感染していると下痢の原因となることがあります。この場合、獣医師の治療が必要です。また、外に出る機会が多い犬の場合、定期的な検査と予防策もしておきましょう。
薬剤の副作用
老犬になって、疾患を抱えていて薬を服用しているという場合は、薬の副作用で下痢をしているということもあります。下痢の原因が副作用の場合、投薬を止めない限り症状が続くことが予想されますが、食欲はそのままというケースもあります。
長く続くようなら、獣医師に相談して薬を変えられないか相談してもいいでしょう。
ストレスや環境の変化
犬はストレスや環境の変化に敏感です。老犬の場合は特にデリケートで、ストレスの影響を受けやすくなります。
例えば、家族に変化があった場合や生活環境が変わった場合、飼い主が長時間不在にしているといったことがストレスの原因となります。そして、このストレスが、消化器系に影響を与えると下痢をすることがあるのです。
環境の変化などの場合は徐々に慣れていくこともありますが、できるだけストレスを与えないように工夫してあげたいですね。
対策と予防策
老犬が下痢をしていて食欲が落ちないという場合「食べてるから大丈夫」と放置するのではなく、下痢に対処することが大切です。考えられる原因を特定し、対応しましょう。そして、対処しても改善しない場合は、獣医師に相談しましょう。
食事を見直す
食欲が落ちないという場合でも、食事が下痢の原因になっているケースがあります。まずは、消化に良い低脂肪の食事に切り替えて見ましょう。そして、、食事の回数を増やして少量ずつ与えることで、消化器系にかかる負担を減らすことができます。
サプリメントの利用
消化酵素や善玉菌を含んだサプリメントの利用も有効です。最近では、ペット用のサプリメントもあるため、老犬の栄養補給や腸内環境改善に適した物もあります。
疾患がある場合や薬を飲んでいる場合は獣医師に相談してから使用してください。
充分な水分補給
下痢をすると脱水症状を引き起こすリスクが高まります。ですので、常に新鮮な水を飲めるようにして、いつでも十分な水分を摂取できるようにしましょう。
ストレスの軽減
高齢犬はストレスに敏感です。日常生活における過激な変化は極力減らしてあげましょう。そして、できるだけ１人の時間を減らす工夫をして、安定した環境を整えてください。そうすることで、下痢を引き起こすストレスを減らす事ができます。
獣医師に相談する
対策をしても下痢が続く場合は、食欲が落ちていなくても獣医師に相談しましょう。獣医師は、血液検査、便の検査、超音波検査などで、下痢の原因を特定できます。下痢は命に関わる病気のサインである可能性もありますので、長く続くようなら獣医師の診断が必要です。
まとめ
老犬が下痢をしているけど、食欲は変わらないという場合の原因には様々なものがあります。大切なことは「食べてるから大丈夫」と何もしないで放置しないこと。老犬はデリケートですし、体力や内蔵機能が低下していることもあるため、必要に応じた対策は欠かせません。
自宅でできるケアとしては、食事の工夫や腸内環境改善、ストレスがない環境づくりなどがあげられます。下痢が病気のサインである可能性も忘れないでください。食欲があるからといって病気ではないと確信するのは避け、改善しない場合は動物病院での受診をお勧めします。
