犬の健康維持に役立つ乳酸菌とその効果について解説します。
乳酸菌とは?どんな働きをしているの?
乳酸菌という言葉はよく耳にしますが、そもそも乳酸菌とはどんな細菌なのでしょうか。
乳酸菌とは乳酸を生成する細菌の総称
乳酸菌というのは、特定の細菌の名前ではありません。乳酸菌とは、乳酸という成分を生成できる細菌の総称です。代表的な乳酸菌としては、ビフィズス菌やラクトバチルス菌があげられます。
腸内に住んでいる乳酸菌は健康維持に役立つ善玉菌です。乳酸菌は、腸内で糖や炭水化物を分解して乳酸を生成します。この乳酸が腸内環境の改善と維持に役立ちます。
乳酸が増えると腸内が酸性になる
乳酸菌が作る乳酸は、腸内のphを下げて酸性にして善玉菌にとって心地良い環境を作ります。善玉菌は酸性を悪玉菌はアルカリ性を好むため、乳酸が増えて腸内が酸性に傾くと悪玉菌は増えにくくなります。
悪玉菌が増えたらどうなる?
犬の腸内には善玉菌と悪玉菌、そして、どちらでもない日和見菌が住んでいます。悪玉菌は腸内でたんぱく質を分解して腐敗させてたり、有毒なガスを発生させたりします。
悪玉菌によって作られたこれらの成分が腸から吸収されると病気のリスクが高まり、老化が進みやすくなるなどの悪影響があります。
乳酸菌が犬の健康に与える効果
消化吸収の改善
乳酸菌が腸内で増えることで消化吸収がスムーズになります。
乳酸菌が作る乳酸は、腸内のphを下げる効果があると紹介しました。乳酸菌にとって心地良い酸性の環境が保たれると消化酵素の働きがよくなり、食べ物の分解がスムーズに行われ、必要な栄養素を効率よく吸収できるようになります。
免疫力の強化
腸内環境が整うと免疫力が強化されます。免疫とは細菌やウイルスの侵入を防ぎ、がん細胞などの異常な細胞を攻撃する身体のシステムのことです。乳酸菌には腸の免疫システムを活性化させる働きがあるといわれています。
抗炎症作用
乳酸菌には腸内の炎症を抑える働きがあります。腸の慢性的な炎症を抑制するため腸炎等のリスクが下がります。
アレルギー症状の軽減
乳酸菌はアレルギー症状の緩和に効果があるといわれています。アレルギーは免疫の過剰反応によって引き起こされる症状です。
乳酸菌によって腸内環境が整うことで、アレルギー症状の緩和が期待できます。
どうやって犬に乳酸菌を与えればいいの?
犬の健康のために乳酸菌が役立つわけですが、では、どうやって犬に乳酸菌を与えればいいのでしょうか。
乳酸菌は食べ物から摂取する
乳酸菌は、食べ物から摂取するのが基本です。乳酸菌は、ヨーグルトや納豆などの発酵食品からとることができます。
犬にヨーグルトを与える場合は、砂糖やフルーツが入っていないプレーンヨーグルトで、生きた乳酸菌が腸まで届くプロバイオティクスのものがよいでしょう。
ヨーグルトやチーズは乳製品ですので「犬に食べさせていいの?」と思う飼い主さんもいらっしゃるかと思います。ヨーグルトやチーズは、発酵の過程で犬が消化できない乳糖が減少しているため適量であれば問題ありません。
また、市販のドッグフードには乳酸菌が含まれているものがあります。ドックフードを選ぶときには成分にも注目して、乳酸菌が含まれているものを選ぶのもよい方法です。
オリゴ糖と水溶性食物繊維も重要
乳酸菌を増やすために、乳酸菌のエサになるオリゴ糖と水溶性食物繊維を摂取するのがおすすめです。オリゴ糖は大豆やブロッコリー、バナナなどに含まれており、水溶性食物繊維は芋類に含まれています。
ただし、オリゴ糖や水溶性食物繊維を含む食品の中には犬が食べられない物があるため、間違えて与えないようにしてください。下記は犬が食べられない物の一例です。中毒を起こす食品もあるため、注意してください。
犬に与えてはいけない食べ物 | 生魚・チョコレート・キシリトール・葡萄・骨付き肉・生卵・ネギ類すべて(玉ねぎ・青ネギ・ニンニク・ニラなど)・イカ・たこ・牛乳 |
サプリメントを利用する
食べ物からの摂取が基本とはいっても、乳酸菌とオリゴ糖、水溶性食物繊維をバランスよく食べるのは難しいものです。それを毎日継続するとなると飼い主さんの負担が増してしまいます。
そこでおすすめしたいのがサプリメントです。最近では、犬のためのサプリメントが数多く販売されていて、すでに利用しているという飼い主さんもいらっしゃいます。
サプリメントを利用すれば、効率良く乳酸菌やその他の栄養素を補うことができます。特に、フードと一緒に食べさせるサプリメントは継続しやすく手軽に利用できるためおすすめです。
サプリメントを導入する際には、いくつかの注意点があります。
必ず専用のサプリメントを使う
まず、サプリメントは人間用の物のほうが手に入りやすいかもしれませんが、代用はNGです。必ず犬用のものを選んでください。健康に不安がある場合や、持病があって投薬をしている場合は必ず獣医師に相談してからサプリメントを導入しましょう。
サプリメントは継続が大切
乳酸菌を増やすための食事やサプリメントは、一度だけで効果があるというものではありません。大切なのは継続することです。腸内細菌の状態は目で見て確認することができないため、効果がわかりにくいのですが、決してその努力は無駄ではありません。
わかりやすく劇的な変化があるわけではありませんが、腸内環境の改善は長い目で見たときに犬の健康に役立ちます。
運動やストレスケアも大切
腸内環境を良くするためには、食べ物やサプリメントの利用だけでなく運動とストレスケアも大切です。
乳酸菌を増やす目的は、腸内環境の改善と維持のためです。腸内細菌のバランスは常に一定ではなく、様々な要素で日々変化しているため、食べ物やサプリメントだけで十分ということではありません。
適度な運動には腸内の善玉菌を増やす効果があります。そして、犬のストレスケアも大切です。犬は私達が思っている以上にデリケートで、ちょっとしたことでストレスを抱えることがあります。
飼い主さんとの十分なコミュニケーションと安心できる環境を整えて、ストレスがない生活を送れるように配慮してあげましょう。
おすすめのサプリメント「美腸活ふりかけ おなか元気」
「美腸活ふりかけ おなか元気」は、犬と猫のためのサプリメントです。この商品は免疫学を専攻していた獣医師とともに試作を重ねて開発されており、国内の工場で厳格な基準を守って製造されています。
商品名の「美腸活」からも解るとおり、腸内環境を整えるための亜鉛酵母と核酸、乳酸菌生成物質(FF16)が配合されています。他にも、グルタミンやタウリン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンDも摂取できます。
使いやすいパウダー状でかつおの風味がついているため食べさせやすいのも特徴です。
まとめ
乳酸菌は、犬の腸内で乳酸を生成して善玉菌が好む環境を作る細菌の総称です。善玉菌が増えて腸内環境が良くなれば、免疫機能の向上や消化吸収がスムーズになるといった健康上のメリットがあります。
乳酸菌は食べ物から摂取できますが、サプリメントの利用もおすすめです。