老犬が下痢に悩まされていてなかなか治らないということもあります。下痢はよくある症状のひとつですし、一過性ということがある一方で、治りにくいというケースもあります。
このような状態は飼い主にとってはとても心配なもの。下痢が続いてしまうと、脱水症状を引き起こしやすくなりますし、重大な疾患のサインという可能性もあります。この記事では、老犬の下痢が治らない時に考えられる原因とその対策、また飼い主ができることについて詳しくご紹介します。
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老犬の下痢が治らない原因
老犬の下痢がなかなか治らないときに考えられる原因は多岐にわたります。
食事に原因がある場合
老犬は消化機能が低下していますので、食事の成分が合わないものであったり、食事内容を急に変えたりすることで下痢を引き起こしやすくなります。
老犬は特に消化器系がデリケートです。そのため、ちょっとした食事変更や、合わない食べ物を口にしただけでも消化不良につながります。
一例としては、脂肪分が高い食品、乳製品なども下痢の原因になり得ます。さらに、老犬に限らず、犬に食べさせてはいけない食べ物(生魚・塩分が多い食べ物・チョコレート・キシリトール・葡萄・骨付き肉・生卵・ネギ類すべて(玉ねぎ・青ネギ・ニンニク・ニラなど)・イカ・たこ・牛乳)を摂取した場合も下痢を引き起こすことがあります。
適切ではない食品を口にし続けている場合や、今のフードが合わない場合は、食事を改善しないと下痢が治らないということもあります。
食事を変更後は、いつも以上に様子を注意深く観察することが重要です。
寄生虫や細菌・ウイルスに感染している
寄生虫の感染も下痢の一般的な原因です。また、細菌やウイルスに感染している場合も、下痢をしてしまいます。この場合、元々の原因である感染症が治らない限り下痢が続くこともあります。
特に、免疫力が低下している老犬は注意が必要です。外に出る機会が多い場合はリスクが高くなります。感染症の場合はすぐに獣医師に相談して投薬などで対処することになります。
病気のサイン
下痢がなかなか治らない場合、腎不全、肝臓病、糖尿病といった病気のサインであるケースもあります。老犬になれば体力も落ちていますし、若い頃より病気になりやすいのも事実です。場合によっては、癌などの重篤で命に関わる病気であることもありますので、下痢が治らない場合は早めに動物病院へ連絡し、獣医師に相談することをおすすめします。
薬の副作用
老犬の場合、健康上の問題で薬を飲んでいることがあります。
中には、薬の副作用として下痢を引き起こす可能性があるものがあります。このように、薬剤による下痢が疑われる場合は、動物病院を受診し、獣医師と相談してください。
ストレスがある
老犬は特にちょっとした環境の変化にも敏感です。新しいペットをお迎えしたり、引っ越しをしたり、そして飼い主の生活スタイルの変更で分離不安が起きたりと、要因がストレスとなって下痢の原因になるケースがあります。
下痢が治らない場合は獣医師に相談しましょう
老犬の下痢・軟便が治らない場合や、嘔吐などの別の症状を併発している場合は、早めに獣医師に相談してください。治らない下痢は深刻な病気のサインである可能性もあります。
また、病院に連れて行くまでの間に飼い主さんができることもあります。
食事管理: 食欲はある場合、下痢をしている老犬には消化吸収がよく栄養バランスの取れた食事を用意しましょう。脂肪分が多い食事は避けてください。フードはシニア犬用のものがベストです。下痢が治らない場合は、カボチャや鶏肉をゆでで潰したものなどもいいでしょう。ここで注意したいのが、いきなり食事をがらりと変えるのではなく少しずつ変更するということです。急な食事の変更は下痢を悪化させる可能性があり、ストレスの原因となることがあります。
脱水状態に注意する: 下痢をしている場合、水分の補給が重要です。脱水症状を引き起こしやすくなっていますので、いつでも水分補給ができるように、新鮮な水を用意して犬が好きなときに飲めるようにしてあげてください。
ストレスの管理: ストレスは下痢の原因になります。ストレスの原因にもよりますが、一過性のものではない場合、下痢もなかなか収まらないというケースもあります。ですので、ストレスを減らすために老犬が安心してリラックスできる環境を整えること、そして、定期的な運動と1人にしないようにする工夫をしてあげましょう。
老犬が下痢をしないように予防する
老犬の下痢を完全に予防することはできませんが、原因を知ればリスクを減らすためにできることも見えてきます。下痢をしたあとの対処法も大切ですが、なかなかな治らない下痢で愛犬が苦しむことがないよう、予防を心がけましょう。
定期的な健康診断: 老犬になると様々な健康上の問題が起こりやすくなります。そのため、できれば定期的に健康診断を受けて、老犬の身体の状態をチェックしましょう。健康診断が病気の早期解決につながることもあります。フィラリア予防の薬やノミダニのお薬の処方のために定期的に動物病院に通っている場合は、一緒に健康診断するといいかもしれません。
適切な食事: 愛犬の年齢や身体の状態に応じた食事を用意しましょう。老犬の場合はシニア犬向けの食フードを選ぶのがおすすめです。栄養価が高く消化しやすいものを食べさせてあげてください。そして、人間の食べ物の中には犬が食べると健康被害を起こす物もありますので、十分に注意してください。また、誤飲しないように小さい物を犬がいる部屋に置かないようにする工夫もしておきましょう。
水分補給の確保: 下痢が治らないときだけではなく、いつでも水分補給は大切です。新鮮な水を用意してあげましょう。
ストレス管理: ストレスは下痢の原因になります。ストレス性の場合、ストレスの原因を改善してもなかなか下痢が治まらないというケースもあります。ストレスは老犬の身体に百害あって一利なしです。ですので、デリケートな老犬が安心して過ごせる環境を作ってあげること、そして、定期的な運動をさせたり遊んであげたりすることでストレスを軽減してください。
サプリメントの使用:最近では、ペット用のサプリメントもあります。腸内環境改善に役立つサプリメントもありますので、普段から使用することで腸内環境を整えて下痢をしにくい身体を作ることができます。
まとめ
老犬の下痢が治らない場合は、ただちに原因を特定することが大切です。前提として、下痢が治らない場合はできるたけ早く動物病院へ連絡を行い、獣医師に相談するのが望ましいといえます。下痢は重大な疾患のサインというケースもありますし、感染症の場合もあります。
ただし、受診するまでの間に飼い主ができることもあります。食事の改善や水の用意、ストレスの軽減などです。
老犬は消化機能が低下しているため、下痢をしやすくなっていますので普段から食事やストレスに注意して予防することも忘れないようにしてください。