老犬はちょっとしたことで便がゆるくなって、飼い主を心配させるものです。
便がゆるくなるのは一般的な症状であり、多くは一過性ですが、感染症や重大な疾患の兆候である可能性もあります。原因が様々なので、注意したい症状でもあります。
この記事では、老犬の便がゆるくなっているときに考えられる主な原因と対処法、そして、普段からできる予防策について詳しく説明します。
老犬の便がゆるくなる原因は?
老犬の便がゆるくなる原因として様々なことが考えられます。まずは、原因を特定して対処する必要があります。
食事に問題があって便がゆるくなっているケース
老犬は消化機能が低下していることもあるため、食事が原因で便がゆるくなることがあります。
脂肪分や繊維質が多いフードを与えると消化不良を起こすことがあり、人間の食べ物をうっかり食べた場合も便がゆるくなりがちです。
また、急な食事の変更がストレスを引き起こすことがあり、特定の食品に対するアレルギーや不耐症も考えられます。
若い頃と同じフードをずっと与えているという場合は、老犬の身体にフードが合わなくなってきているのかもしれません。また、脂肪分が多い食品や乳製品などは、時として消化不良を引き起こしやすい食品です。食品不耐症ということも考えられます。
寄生虫が原因
老犬の便がゆるい場合に寄生虫の感染という可能性もあります。回虫、鉤虫、条虫などが便をゆるくさせる原因となることがあります。寄生虫の感染は、外に出る機会が多い犬の場合はリスクが高く、水、または感染している動物の糞便に接触することで感染する可能性があります。
寄生虫感染の場合は獣医師の診断で判明しますが、検便で診断可能です。投薬治療が一般的です。
消化器系に疾患がある
消化器系の疾患が便がゆるくなる原因となるケースがあります。膵炎は膵臓が炎症を起こしている状態です。腸炎は、腸に炎症があって、消化不良を引き起こしているという状態です。そして、消化器系のがんで便がゆるくなることもあります。これは、腫瘍が便通に影響を与えているという状態です。
「便がゆるくなる」という割とよくある症状ですが、こういった怖い病気が潜んでいるケースもあります。
薬の副作用
薬には副作用があります。投薬を受けている場合は、薬の副作用で軟便になるケースがあります。特に老犬では、薬などに敏感になることもあります。例えば、抗生物質、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬剤で消化器系の副作用を引き起こす可能性があります。
ストレス
犬も人間と同じように、ストレスが身体に様々な影響を与えることがあります。ストレスが原因で便がゆるくなる可能性もあるのです。例えば、環境の変化や家族構成の変化、そして、飼い主さんの生活スタイルの変化などがストレスの原因になります。ストレスは消化器系に影響を与えて、便に影響を与える可能性があります。老犬はストレスを受けやすく、ちょっとした環境の変化にも敏感です。
便がゆるくなる原因を正確に特定し、適切な対処を行うことが老犬の健康と幸福を維持するために重要です。
また、対策をしても症状がよくならない場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
便が緩いときの対処法
便がゆるくなることは比較的よく見られる症状ですが、発見したしたときの対処法についてご紹介します。飼い主さんができる対処法をしっておきましょう。
食事の見直し
まずは食事の見直しです。今、与えているフードが脂肪分や繊維質が多い物である場合や、若い頃と同じフードを続けている場合は、食事の見直しをしてみましょう。低脂肪で消化が良いフードへ徐々切り替えると良いかもしれません。
そして、フードは段階的に変更してください。便がゆるくなったときに 食事を変更するのは効果的ですが、急に変えるとストレスになってしまいます。新しい食事を徐々に古い食事に混ぜて時間をかけて変えていきましょう。
そして、ここで注意したいのが、水分補給についてです。便がゆるい場合は排便で水分を失ってしまうため、十分な水分補給が必要です。いつでも新鮮な水を飲める環境を整えてたっぷりの水を用意してあげてください。
獣医師の診断
便がゆるい状態が続いている場合や、悪化していると感じられる場合、嘔吐などの症状を併発しているときはすぐに獣医師の診断を受けましょう。
便がゆるくなるのは、時に重大な疾患の可能性もありますし、脱水症状を引き起こしている可能性もあります。
老犬のためにできる軟便予防
軟便予防のために普段からできることがあります。症状が出てから対策するのではなく、予防のためのポイントをご紹介します。
老犬に優しい食事
普段から老犬の身体に合わせたフードを食べさせてあげましょう。低脂肪で消化が良い食材を選んだり、シニア犬ようのドッグフードを選んだりして、消化器系に負担がかからないように配慮しましょう。
ストレスがない環境を整える
老犬はストレスにとても敏感です。ちょっとした環境の変化でも身体に影響が出ることがあります。そのため、 安定した環境でストレスを軽減することはとても大切です。
また、適切な運動で ストレスをためないようにしてあげましょう。飼い主さんとのスキンシップや安心できる寝床などもストレス軽減のポイントです。
新しいペットのお迎えなどは老犬に配慮してストレスにならないようにしてあげることが大切です
定期的な健康診断をする
老犬は体力も落ちていますし、様々な健康上の問題が起こりやすくなっています。そのため、定期的な健康診断は重要です。血液検査、便検査で病気の早期発見ができます。
そして、予防接種や寄生虫駆除も重要です。 定期的な健康診断と平行して、予防接種で感染症対策をすることも大切です。感染症や寄生虫による問題を最小限に抑えます。
サプリメントの使用
老犬は消化機能が低下しやすくなっていますので、サプリメントを使用するのも有効です。腸内フローラのバランスを改善できる、乳酸菌などを含んだサプリメントの使用で消化機能をフォローできます。ペット用サプリメントには、善玉菌を含んだサプリメントもありますので、老犬の健康維持のために普段から飲ませてあげるといいかもしれません。
まとめ
老犬の便がゆるくなる原因は多岐にわたります。ストレスや食事が原因ということもありますし、感染症やその他の重大な疾患のサインというケースもあります。
まずは、食事を見直して消化しやすいフードに徐々に切り替えてあげましょう。脱水症状を防ぐために十分な水分補給も重要です。そして、症状が続くときや他の症状も併発している場合は直ちに獣医師の診断をうけてください。
また、便の問題を予防するための腸内環境改善ができるペット用サプリメントの使用もおすすめです。普段からフードやストレス軽減に配慮しつつ、老犬の身体と心に優しい生活環境を作ってあげましょう。
