猫の健康を維持するためには、適切な栄養バランスの維持が不可欠です。その中でも、ビタミンEは特に重要な役割を果たしています。ビタミンEは強力な抗酸化作用を持っており、細胞を酸化ストレスから守ります。免疫機能の強化や抗炎症作用など健康維持に欠かせない役割を担っています。
この記事ではビタミンEの働きと猫の健康維持に必要な理由、摂取時の注意点を解説します。
Contents
ビタミンEはどんな栄養素?
ビタミンEは抗酸化作用が強い脂溶性ビタミン
ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンEは、油には溶けますが水には溶けないという性質を持っています。ビタミンEには、強力な抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから守る役割を果たしています。
酸化ストレスは、細胞の老化や損傷、さらには多くの病気の原因となります。また、ビタミンEは免疫系の強化にも寄与しており感染症のリスクを低下させます。また、炎症の原因となる化学物質の生成を抑制し、慢性炎症や関節炎といった症状を軽減する効果が期待されます。このように、ビタミンEは全体的な健康をサポートし、病気の予防にも重要な役割を果たす栄養素です。
ビタミンEは猫の健康維持に必要不可欠
細胞膜の保護
ビタミンEは強力な抗酸化作用をもっており、細胞膜を安定させる効果があります。細胞膜は細胞の内部と外部を隔てるもので、細胞の保護と機能維持に必要です。ビタミンEが、酸化反応を中和させることで、細胞膜の脂質成分が守られ細胞の構造と機能が正常に保たれます。この結果、組織全体の健康を維持し、老化や病気の進行を遅らせる効果があります。
免疫機能の強化
ビタミンEは免疫系の機能をサポートする働きがあるため、感染症や病気に対する抵抗力を高めます。
ビタミンEはT細胞やB細胞などの免疫細胞の活性化を促進し、病原体や異常細胞に対する攻撃能力を高めています。また、ビタミンEは、抗体の生成を促進させて、体内の有害物質を効率的に除去するサポートもしています。
加えて、ビタミンEはマクロファージ機能の強化にも関わっています。マクロファージとは白血球の一種で病原体を捕食し、体内の異物を除去する働きを持つ免疫細胞です。ビタミンEにはこれらの細胞の機能を強化する働きがあります。
抗炎症作用
ビタミンEは抗炎症作用も持っており、炎症の原因となる化学物質の生成を抑制します。
まず、ビタミンEは炎症性サイトカインの生成を抑制して、関節炎や心血管疾患などの慢性病の原因となる慢性炎症を軽減します。
次に、関節炎の症状緩和にもビタミンEが役立ちます。関節炎は、関節の炎症が原因で痛みや腫れが表れるというものです。ビタミンEの抗炎症作用には、関節の炎症を抑え、痛みや腫れを軽減する効果があります。
最後に、ビタミンEは肌の健康維持にも寄与しています。ビタミンEには皮膚の炎症を抑える働きがあるため、健康な皮膚状態を保つ助けとなります。
このようなビタミンEの働きで、猫の健康が維持され、健康で質の高い生活を送るための基盤が作られています。
ビタミンEの過不足が引き起こす悪影響
ビタミンEは猫の健康維持に不可欠ですが、ビタミンEの不足や過剰摂取は、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
ビタミンEが不足すると悪影響が現れる
免疫系の機能をサポートするビタミンEが不足すると、免疫細胞の活動が低下するため、細菌やウイルスなどに対する防御力が弱まります。免疫力が低下して、猫が感染症や病気にかかりやすくなりますし、回復にもより多くの時間が必要になります。
ビタミンEは筋肉細胞の健康をサポートしているため、不足すると、筋肉細胞が酸化ストレスによって損傷を受けやすくなります。筋肉の萎縮や弱化が進行し、運動能力に影響する可能性もあります。
また、繁殖期のメス猫がビタミンE不足に陥ると不妊症や繁殖障害の原因となることがあります。ビタミンEは生殖機能の正常な維持に必要な栄養素であるため、不足すると繁殖能力に悪影響が現れる可能性があります。
ビタミンEの過剰摂取
ビタミンEが過剰になると、血液凝固機能に影響が現れます。ビタミンEを過剰に摂取すると血液が固まりにくくなり、出血傾向が強まる可能性があります。
大量のビタミンEを摂取すると、消化器系にも影響を及ぼすことがあります。消化不良や下痢、胃痛などの消化器症状が現れます。
また、ビタミンEは肝臓で代謝されるため、過剰摂取は肝臓に負担をかける可能性があります。
ビタミンEを摂取する方法
食べ物から摂取する
ビタミンEは食べ物から摂取することができます。
植物油:ひまわり油、サフラワー油、アーモンド油などの植物油には、ビタミンEが多く含まれています。このような油を適度に食事に取り入れれば、ビタミンEを効率的に摂取できます。
ナッツ類:アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツなどのナッツ類はビタミンEが豊富です。
緑黄色野菜:ブロッコリーなどの緑黄色野菜にもビタミンEが含まれています。ただし、猫が食べる事ができない食品もあるため注意しましょう。
食べられない食品 | 成分 | 悪影響 |
---|---|---|
チョコレート | テオブロミン | 嘔吐、下痢、心拍数の増加、けいれん、死亡 |
玉ねぎとニンニク | 有機硫化物 | 赤血球の破壊、貧血、吐き気、腹痛、呼吸困難 |
生卵と生肉 | サルモネラ菌、大腸菌(生卵)、アビジン(生卵の白身) | 食中毒、ビタミンB欠乏 |
アルコール | エタノール | 嘔吐、下痢、運動失調、呼吸困難、昏睡、死亡 |
ぶどうとレーズン | 不明 | 急性腎不全 |
カフェイン | カフェイン | 興奮、心拍数の増加、けいれん、呼吸困難 |
乳製品 | 乳糖 | 下痢、消化不良(ヒョウは乳糖不耐症が多い) |
アボカド | ペルシン | 嘔吐、下痢、心臓毒性 |
マカダミアナッツ | 不明 | 嘔吐、運動失調、抑うつ |
キシリトール | キシリトール | 低血糖、肝不全 |
ビタミンEが含まれている野菜のひとつである、ほうれん草はシュウ酸が含まれているため少量の摂取で止めましょう。
サプリメントを利用する
食べ物からも摂取できるビタミンEですが、サプリメントの利用もできます。サプリメントを選ぶときには、分量を調整できる形状であること、猫用のサプリメントであることがポイントです。
ビタミンEは過剰摂取すると健康被害が現れるためサプリメントの分量に関しては、細心の注意を払いましょう。
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まとめ
ビタミンEは免疫機能の強化、肌の健康などに関わる重要な栄養素です。脂溶性ビタミンの一種でとても抗酸化力が強いことで知られており、老化防止にも効果的です。
ビタミンEは適量を摂取することが大切で、不足も過剰摂取もどちらでも健康被害が現れてしまいます。不足すると免疫力が低下してしまいますし、過剰摂取すると血液の凝固や消化器系にも悪影響が現れます。サプリメントを利用する場合は、適量を調整できるパウダー状のものがおすすめです。