高齢猫が軟便をすることはよくあることですが、実は軽く考えて良い症状ではありません。
猫も人間も年齢を重ねるにつれて内臓機能が低下します。これは仕方がないことです。
老化によって消化器官の機能も若い頃に比べて衰え、腸内細菌の住処となる腸内フローラのバランスも崩れやすくなります。
そして、軟便は一時的なものや加齢によるのものだけでなく、病気のサインであることもあるため注意が必要です。
この記事では、高齢猫の軟便を予防する方法、原因と対処法について解説します。
Contents
軟便とは柔らかい便のこと
軟便とは、下痢ほど水っぽいわけではないものの、便をつかんだり持ち上げようとしたら形が崩れてしまう柔らかい状態のことです。通常の便より水分が多く、消化器官に問題があるケースもあります。
そして、軟便ではなく下痢になると、水分が多く便が形を維持していません。同じ便でも形状や柔らかさで区別されます。
高齢猫の軟便は予防できる?
高齢猫の軟便は普段の食事や生活環境への配慮である程度の予防が可能です。もちろん、軟便の原因は多岐にわたるため、予防の効果は完全なものではありませんが、日々の暮らしの中でそのリスクを減らすことはできます。
まずできるのが、日々の食事に適切なフードを用意することです。
高齢猫の場合は、消化が良く、たんぱく質が豊富で脂肪分が少ないものを選択しましょう。若い頃と同じフードをずっと与えている場合は、変更してもいいかもしれません。猫の年齢に応じた食事を与えることで、年齢に伴う消化の変化に適切に対応することができます。
そして、定期的な健康診断もとても重要です。体調が悪くなってから受診するのではなく、予防接種と寄生虫駆除やダニ予防もかねて、定期的に健康診断を受ければ病気を早期発見できます。
ストレスがない安定した環境をつくる
高齢猫はとても敏感な生き物です。ちょっとしたストレスでも軟便の原因になることがあるため、できるだけストレスがない環境を作ってあげることも大切です。
ペット用のサプリメントで老猫の健康維持!
軟便の原因になる腸内フローラの乱れを正常化することで軟便を予防することができます。そのために、ペット用のサプリメントを利用する方法があります。
腸活で、腸内細菌の住処となる腸内フローラを正常化すれば、消化吸収がスムーズになりますし、免疫力の維持にも繋がります。
ペット用サプリメントの中には腸活を目的にしたものがあります。
ここでおすすめしたいのが、「美腸活ふりかけ おなか元気!」です。
このサプリメントは、獣医師と共同で開発された製品で国内製造されているため、安心して利用できます。
免疫細胞が必要としているグルタミンや猫の体内では生成されないタウリン。腸内環境の改善に寄与する亜鉛酵母や核酸。ビタミンA、ビタミンE、ビタミンDも含まれているため健康維持に最適です。
高齢猫の軟便の原因にはどんなものがあるの?
高齢猫の軟便はある程度は予防できると話しましたが、そもそも軟便をする原因にはどんなものがあるのでしょうか。
消化器系の疾患がある
軟便は病気の兆候として現れている可能性があります。
一例として、膵炎が上げられます。膵炎は、膵臓の炎症のことです。膵炎になると、消化酵素の適切な分泌が妨げられるため、食物の消化が不十分になります。つまり消化不良を起こしやすくなるのです。その結果として軟便を引き起こすことがあります。
他にも、寄生虫が原因で軟便をしている可能性もあります。寄生虫は、腸内環境を乱したり栄養吸収を阻害したりして、炎症や軟便を引き起こす原因となります。
ストレスで軟便をすることもある
高齢猫は特にストレスに敏感です。些細な環境の変化や飼い主とのコミュニケーション不足、新しいペットのお迎えなどが高齢猫にとっては大きなストレスになることがあります。
ストレスが原因で、消化機能が低下し食物が腸を通過する速度が速くなることで、適切に消化・吸収されないまま排出されてしまうことがあります。
食事に問題がある
高齢猫は、若い猫と比べて消化不良を起こしやすくなっています。これは、年齢とともに消化機能が低下しているからです。
また、猫が食べられないものを食べてしまった場合やアレルギーがある場合に下痢をすることがあります。
高齢猫が軟便をしたときにできる対策は?
高齢猫が軟便をした際に飼い主が取ることができる対策は決して少なくありません。まずは獣医師に相談することが最も重要ですが、ここでは自宅でできる対策をいくつか紹介します。
食事の管理
まずは、フードを消化に良いものに切り替えることです。
軟便をしているときは、消化器官がとても敏感になっています。そのため、まずは消化に良い食べ物を選ぶことが重要です。たとえば、高品質のタンパク源として、鶏肉の胸肉や魚などが挙げられます。他にも、繊維質が豊富なかぼちゃやさつまいも等も軟便を改善するのに役立ちます。ただし、過度な食物繊維は消化不良を悪化させるため注意してください。
他にも、高齢猫用のキャットフードや消化器サポートの機能があるフードを選んだり、柔らかいウェットフードを取り入れたりするというのも良い方法です。
また、食事の質だけでなく与え方もポイントになります。まずは、食事を小分けにするのも有効です。フードの頻度と量の調整をして、 一日分の食事を複数回に分けて少量ずつ食事を与えます。こうすることで、高齢猫の消化器への負担を減らすことができます。食事を一度にたくさん与えず小分けにすることで、一度に大量の食物を消化する必要がなくなり、消化器系にかけるストレスを軽減します。
十分な水分供給をする
軟便をしているときには、脱水症状を起こしやすい状態になっています。
中には「軟便だから水を飲ませたら余計に緩くなるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは間違っています。排泄で水分が失われているわけですから、いつも以上に水分補給をさせてあげる必要があります。
脱水を防ぐためには、常に新鮮な水を用意して愛猫がいつでも水を飲めるようにすることが重要です。特に高齢猫は脱水が急速に進行することがあるため、十分な水分補給が特に重要になります。
水分摂取を促す方法としては、ウェットフードを導入したり、食事に水を少し加えたりするのも効果的です。また、流れる水を好む猫の場合は、ファウンテン型の水飲み器を用意するのもおすすめです。
獣医師による診断と治療
軟便は高齢猫では比較的よくある症状ではありますが、それでも軽視するべきではありません。少しでも「様子がおかしい」と思ったら直ちに獣医師に相談することが大切です。軟便の原因が病気であるというケースもあります。
早めの受診が早期の回復や場合によっては命を救うことに繋がるかもしれません。
まとめ
今回は、高齢猫の軟便について紹介しました。
高齢猫が軟便をする原因は多岐にわたっており、フードの問題や腸内フローラの乱れ、ストレスが原因というケースもあれば、重大な病気のサインであるケースもあります。
そのため、少しでも様子がおかしいと感じたら獣医師に相談するのが重要です。その上で、飼い主さんが自宅でできる対策や予防に取り組んでいただくのが望ましいでしょう。
高齢猫と幸せな時間を長く過ごすためにも健康管理は欠かせません。この記事を是非参考にされてください。