老猫が下痢をする原因は一つに限られません。下痢は一般的な症状ですが、それを理由に放置するのは危険です。下痢は一過性の可能性もありますが、感染症や疾患などの健康問題が原因となっている可能性もあります。
猫も歳を取るにつれて人間と同様に、消化器系の機能が衰え、免疫力も低下します。
年齢を重ねることで慢性的な病気に罹患しやすくなるのも事実です。
この記事では、老猫の下痢の原因を探り、その対策と予防策について詳しく解説します。
Contents
老猫が下痢をする原因はなに？
老猫の下痢の原因は様々です。一時的な症状ということもありますが、深刻な病気が隠れている場合もあります。老猫の下痢の原因として考えられるものを紹介します。
フードが合っていない
老猫は若い頃に比べて消化機能が弱まります。そのため、以前好んで食べていたフードや好物であっても、老猫の体には合わなくなることがあります。
例えば、脂肪分が多いフードや食物繊維を過剰に含むフードを食べている場合は、消化器官に負担がかかり、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。また、栄養バランスが偏っているフードや品質が低いフードも、消化器系への負担となり、腸内の健康バランスを崩すことがあります。
誤飲している
人間が食べるものの中には、猫や犬などのペットが食べると中毒を起こしてしまうものがあります。
| 猫が食べてはいけないもの | 玉ネギ、ニンニク、エシャロット、青ネギ、生卵、生肉、骨、チョコレート、カフェイン入り飲料、アルコール、生のパン生地、牛乳、ブドウ、レーズン等 |
上記は一例ですが、他にも食べられないものがあります。このようなものを食べたときに下痢をすることがあります。絶対に与えないようにしましょう。万が一、誤飲してしまった場合はすぐに獣医師の診察を受けてください。
病気や感染症のサイン
下痢は、病気や感染の兆候として現れることがあります。
一例として、猫伝染性腹膜炎（FIP）、猫エイズ（FIV）、猫白血病ウイルス（FeLV）など、免疫に影響を与える疾患。また、消化系統に問題があるケースがあります。
感染症としては、サルモネラやエコリ菌などの細菌感染、ロタウイルスやコロナウイルスといったウイルス感染が考えられます。他にも、内臓疾患としては、腸内炎症、膵炎、腸閉塞といった可能性があります。
寄生虫の感染
寄生虫に感染している場合にも、下痢をすることがあります。
特に外出する機会が多い猫は寄生虫による下痢のリスクが高くなっています。寄生虫は、栄養吸収を妨害するだけでなく、腸壁へのダメージを与えることもあります。
ストレスが原因
猫は環境の変化に対して非常に敏感な生き物です。老猫になると環境の変化に敏感になる子が多く、ストレスを感じやすくなります。ストレスが消化機能への負担になったり、腸内環境の悪化を招いたりすることもあり、その結果として下痢を引き起こすことがあります。
老猫の下痢対策は？飼い主さんができること
老猫が下痢をしている場合に飼い主さんができることを解説します。
水分補給をしっかりと
まずは、水分補給が必須です。下痢をしている老猫には、通常以上に水分の補給が重要です。排泄で水分が失われてしまうため、水分補給をしなければ脱水症状を引き起こしてしまうのです。そのため、新鮮で清潔な水を常にたっぷりと猫が飲める場所に準備しておくことが重要です。また、水分を多く含むウェットフードの提供や、少量の水を加えた食事も水分補給に役立ちます。
フードの見直し
下痢の原因となるフードに問題がある場合は、フードの見直しと切り替えが必要です。まずは、消化に優れたシニア猫向けフードへの切り替えを検討しましょう。そして、フードの変更は、急に行わず徐々に新しいものを混ぜながら慣らしていきます。消化が良く、高タンパク質のフードを選ぶことが望ましいです。
ストレス管理
ストレスは猫にとって下痢だけでなく、多くの健康問題の原因になります。高齢猫が安心して過ごせる環境を整えることが重要です。うるさい場所や小さな子供のいる場所、他のペットから離れられる静かな場所を選びましょう。そして、飼い主さんとのコミュニケーションも重要です。
獣医師に相談する
下痢が治らないときや、嘔吐などの別の症状を引き起こしている場合はすぐに獣医師に相談しましょう。ぐったりしていたり、水を飲んでいなかったりする場合も同様です。
老猫の下痢は予防できる?
下痢の原因は様々ですので、完全な予防はできませんが、リスクの低減はできます。
食事の管理と十分な水分補給
老猫の下痢を予防するためには、適切な食事の管理と十分な水分補給がカギとなります。
猫は年を取るにつれて、消化器官の機能は徐々に衰えていきます。そのため、食事による影響をより受けやすくなります。
老猫のフードは、消化が良く、栄養バランスの取れた高品質なフードを選ぶようにしましょう。市販のキャットフードであればシニア猫用の物がオススメです。他にも、高品質なタンパク質と消化しやすい炭水化物。例えば、茹でた鶏肉などが適しています。
そして、普段から清潔な水をたっぷりと用意して水分補給をすることも忘れないようにしてください。飲み水は定期的に入れ替えて容器も洗浄しましょう。猫が飲みやすい場所に複数の水を用意するのもオススメです。
老猫のストレス管理と適度な運動
猫はもともとデリケートな生き物ですが、老猫は特にストレスの影響を受けやすくなっています。
愛猫がリラックスして過ごせる環境や隠れ場所、寝床を用意しましょう。加えて、飼い主さんとのコミュニケーションもストレスの緩和に繋がります。
老猫でも軽度の運動は必要です。遊びの時間を作って身体を動かすようにしてあげてください。ただし、老猫の体力や関節の状態に応じた、負荷の少ない運動を取り入れるようにしましょう。過度な運動は絶対にNGです。
ペット用のサプリメントで腸活
高齢猫の腸活をサポートするために、ペット用のサプリメントの使用も検討できます。
ペット用のサプリメントで必要な栄養素を補うことでバランスが取りやすくなります。また、ペット用のサプリメントには、腸活ができるものもあるため、下痢予防としても効果が期待できます。腸内細菌のバランスは、下痢や便秘の予防はもちろん免疫力にも影響しますので健康維持にも寄与します。
ペット用のサプリメントはいろいろなものが発売されていますが、栄養素の補給と腸活のどちらもできるものがオススメです。例えば「美腸活ふりかけ おなか元気！」は、獣医師と共同開発されたサプリメントで栄養素の補給と腸活のどちらも可能です。
老猫の身体を守るためのグルタミン、腸活に役立つ亜鉛酵母、核酸にビタミンA、ビタミンE、ビタミンDなどが含まれている優秀なサプリメントです。
まとめ
老猫の下痢の原因と対策、予防について説明しました。下痢はよくある症状ですが、病気のサインということもあるため注意が必要です。
フードやストレスが下痢の原因になることもあるため、フードの見直しや環境の改善をするのも効果的です。
下痢をしている場合は、獣医師の診察を受ける必要があります。加えて、水分補給をしっかりとさせてあげて、消化の良いものを食べさせてあげるといった対応ができます。
予防のためのペット用のサプリメントの導入も検討できそうです。
